おうちで工芸 友禅ができるまでをクイズにしてみました。

おうちで工芸 友禅ができるまでをクイズにしてみました。

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所属しています、京もの認定工芸士会 響のFacebookページでの企画「おうちで工芸」に参加しているので、こちらでもアップしたいと思います。

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「おうちで工芸」とは、現在自宅など、お部屋で長期間過ごさなければならない状況の中で、おうちで過ごす時間を工芸を通して少しでも豊かにしていただきたく思い、響の会員の商品、作品、作業風景などの画像、動画等を発信していくものです。

商品、作品→おうち生活のご提案

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として少しでも生活のお役に立てればと考えています。

 

今回は手描友禅ができるまでを「おうちで工芸」の趣旨に沿って少し趣向を変えてクイズ形式で文章にまとめてみました。

文章に空欄を入れていきますので、答えながら読み進めていただけたらと思います。

ヒントは工程順に並べた画像と文章をみてください。

 

手描友禅のはじまりは、元禄時代の扇絵師、宮崎友禅斎の絵付けした扇が流行し、その画風を着物の衣装に取り入れたものや、染料や染色技術の進歩によって新しくできた技法や新しいデザインの染め物に当時評判だった友禅斎の名にちなんだものとされています。

それまでの主な染色は浸染(しんせん)で、生地を染料にドボンと浸けて染めていたので、柄の表現としては、絞り染め、刺繍などでした。

贅沢禁止令が出され、それまでの金箔を貼ったものや豪華な刺繍などができなくなって友禅染へと移っていったという背景もあるようです。

 

では問題です。

手描友禅を完成させるには、先ず柄の構成を考えます。

小さな紙にデザインを描きます。このデザインを描いた小さな紙を( ① )といいます。

次に( ① )に描いたデザインを( ② )に拡大して草稿を描きます。

草稿が描けたら生地に下絵を写していきます。

硝子のテーブルに草稿を置き、その上に生地を置いて、下からライトを当てて輪郭線を( ③ )で写していきます。( ③ )はツユクサの汁からできていて、水で消えます。

下絵が描けたら輪郭線の上にゴムや糯米を主とした糊を置いていきます。この工程を( ④ )といい、手描友禅の特徴のひとつです。糊は和紙に柿渋を塗った円錐状の( ⑤ )に入れて真鍮製の先金をつけて糸のように細くしぼりだしていきます。この糊が壁となり、彩色した色が滲み出ないようにしています。この糊のおかげで、多彩で絵画的な表現ができるようになりました。

糊が置けるとその糊を生地へ浸透させるために( ⑥ )という作業をします。糊は生地の上に乗っているだけでは力を発揮しません。色が滲み出てきてしまいます。

( ⑥ )の次は柄の中に筆や刷毛を使って色を塗っていきます。この工程を( ⑦ )といい、業界では友禅すると言ったりします。

( ⑦ )が終わると彩色した色を定着させたあと、柄の上に蝋や糊を置いて防染します。この工程を( ⑧ )といいます。蝋や糊がはみ出すと柄のまわりが白くなってしまい、輪郭との間に隙間ができるとそこに地色が入ってしまいます。

( ⑧ )が終わると地色(背景)を刷毛で染める( ⑨ )の工程に移ります。

( ⑨ )はやり始めると途中で休憩や作業を止めることはできません。生地の端から端まで一気に染めていきます。

地色が乾けば「蒸し・水元」の工程です。染料は蒸気を当てて蒸すことで色が定着します。定着させた後生地についた余計な染料や糊を洗い落とします。この作業は昔、川で行っていた( ⑩ )と同じです。

「蒸し・水元」が終われば「仕上げ」の工程になります。この工程では柄を引き立たせるために金箔を貼ったり、刺繍をしたりします。

仕上げが終われば仕立に出して完成となります。

 

京都では分業なので各工程ごとに職人さんがおられます。

といっても、同じ道具や材料を使う場合は違う工程でも同じ職人さんがされています。

 

ひとつの手描友禅(着物)を作るのにたくさんの工程、職人さんがかかわっているんですね。

生地を織るといったところからだと数十工程と言われています。

 

いかがでしたか、空欄をうめて読むことはできたでしょうか・・

少しでも楽しんでいただけたらうれしいです。

 

小下絵

小さな紙にデザインを考えます。
この時に地色や配色も大まかに決めます。

 

草稿

原寸大の紙に小下絵で描いたデザインを拡大して描きま

 

下絵

生地の下に草稿を置き、下からライトを当てて輪郭線を写していきます。

ツユクサの汁から作られた青花で線を描きます。

青花は水で消える性質があります。

 

糸目糊置き

輪郭線の上に糊を置いていきます。

この糊が壁となり、彩色した染料が滲み出ない役割をしてくれます。

和紙に柿渋を塗った円錐状の「筒」に糊を入れ、糊を絞りだしていきます。

 

地入れ

糸目糊を生地に浸透させるために、フノリなどを刷毛で生地全体に塗ります。

彩色した色がムラなく塗れる作用もあります。

 

色挿し

筆や刷毛を使って柄の中に色を塗っていきます。

輪郭より色が滲み出ないように気をつけながら下から電熱器であぶり、

乾かしながら作業します。

 

伏せ

色挿しが終わった後、色を定着させ、柄の上に糊を置き防染します。

はみ出すと柄のまわりに白い部分ができ、輪郭との間に隙間ができると、

柄に地色が入ってしまいます。

 

引染

刷毛を使って地色(背景)を染めます。

生地の端から端まで一気に作業します。

ムラにならないように手早く刷毛を動かして染めます。

 

蒸し・水元

引染が終わった生地は、蒸気を当て、蒸すことで色を定着させます。

蒸し終わると、余分な染料や糊を洗い流します。

昔、川で行われていた「友禅流し」がこの工程になります。

 

仕上げ

金箔を貼ったり、刺繍、葉脈や輪郭を描くといった

柄を引き立たせる作業をします。

 

完成

 

 

 

 

 

 

こたえ:①小下絵 ②原寸大 ③青花 ④糸目糊置き ⑤筒 ⑥地入れ ⑦色挿し ⑧伏せ ⑨引染 ⑩友禅流し